柿谷カウンセリングセンターはリアリティセラピー(現実療法)を主とし全人的アプローチを目指していす

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批判はいいことですか?(その7)(2000年3月4日)-----第19号

このメールマガジンは、不定期に発行されます。

Kさんからのフィードバックにこんな表現がありました

>不良少年が涙ながらに漏らした『おやじに一度でいいからガツンと叱ってもらいたかった』 >という言葉は、何を表しているのでしょうか。」

ガツンと叱って、死傷問題も起こっています。このような子供をガツンと叱ることが本当の答 えではないと思います。 石原都知事も他人の子供を叱るように基調講演で訴えていました。でも、叱るよりも、もっと 良い係わり方があると思います。 私が子供だったら、叱られるよりも、愛されたいと思います。叱られるよりも、認めてもらいた いと思います。 子供の語彙(い)が限られているので、「ガツンと叱ってもらいたかった」という表現になっただ けで、しかられて、本当にうれしいなどとは思わないでしょう。ガツンと叱られて本当に喜ぶ人 がいれば変態です。係わってもらいたかった、無視されるのではなく、自分が価値ある存在で あることを確信したかったということだと思います。

中学2年生が母親を刺殺しました。無断欠席を母親に厳しく叱られてカットなって刺したと言っ ています。叱られた場合の通常の反応はこの種のもので、新聞の3面記事に掲載されるよう な事件となります。叱らないで、「学校から欠席していると連絡があったわよ。何か悩んでいる ことあるの?」と言うこともできます。この方が問題解決への近道でしょう。 グラッサー博士は人間には、愛し、愛されたいという欲求があると言っています。愛・所属の欲 求です。ときに叱ることが愛・所属の欲求を満たすことになるかもしれませんが、これは例外中 の例外と考えたほうが無難です。叱って成功することがあるとしたら、愛・所属の欲求が満たさ れる場合です。通常は叱ることで愛・所属の欲求は満たされません。叱られることで、力の欲求 も満たされません。力の欲求とは、自分の価値を感じたい、重要であることを知りたいという欲 求のことです。 グラッサー博士ははじめ2つの欲求のみに触れていましたが、今は5つの基本的欲求について 触れています。身体的欲求(生存の欲求)と4つの心理的欲求です。心理的欲求とは、愛・所属、 力、自由、楽しみです。この4つがバランスよく満たされているときに、人間は幸福感を味わいま す。この欲求が調和して満たされていないことが長期間続くと、人は心の病をも持つようになるの です。 批判が問題なのは、人の力の欲求を疎外するからです。批判のないフィードバックなら、愛・所属 の欲求が満たされ、力の欲求も同時に満たされます。 勉強をしていない子供に勉強、勉強と言う代わりに、前回例を挙げたように、「君は高校に行き たいの?」と聞くこともできます。また、「君は勉強できるようになりたいの?」「先生の言っているこ とが分かったら気分はどう?」「分からないままで、教室でじーとしているのと、勉強が分かって授 業時間中楽しいのとどちらがいい?」「君が今よりも勉強が楽しくなったら、君の人生どう変るかな?」 「君が勉強できるようになるために、お父さんにして欲しいことがあったら何でも言いなよ。」と言い ながら係わることもできます。批判よりも叱るよりもいい方法があるはずです。